「ランジェ公爵夫人」(ジャック・リヴェット)
仙台のミニシアター、チネ・ラヴィータにてジャック・リヴェットの新作「ランジェ公爵夫人」(2007年)見る。バルザック原作による文芸大作で、上映時間は(リヴェットにしては短い)137分。ヌーヴェルヴァーグの伝説的な監督であるリヴェットの新作を劇場で見る機会は逃すまいと駆けつけたのであるが、観客は自分ら入れてたったの5人であった・・・。
舞台は19世紀初頭のパリの社交界。ランジェ公爵夫人(ジャンヌ・バリバール)は舞踏会で出会ったナポレオン軍のモンリヴォー将軍(ギョーム・ドパルデュー)に興味を抱いて自宅に招く。モンリヴォーはランジェ公爵夫人に惚れ込み毎日足しげく屋敷に通うが、夫人はつれない素振りで彼を翻弄する。ついに堪忍袋の緒が切れたモンリヴォーは夫人を誘拐するが・・・。
言ってみれば一種の恋愛ゲームみたいなお話で、時代が時代だけに今では考えられないようなじれったい関係が延々と続く。出演は「恋ごころ」に続いてリヴェット作品のヒロインを演じるジャンヌ・バリバール、名優ジェラール・ドパルデューの息子のギョーム・ドパルデュー、ビュル・オジエ、ミシェル・ピコリら。ウィリアム・リュプチャンスキーのクリアーな撮影が素晴らしく、音楽が必要以上に流れないのも良い。80歳を超えてなお衰えないリヴェットの端正な演出力には驚かされる。
一番面白かったのはモンリヴォーのとその部下の描き方。恐らく戦友なのだろうが、モンリヴォーが依頼すると上流階級の夫人を誘拐したり、修道院に忍び込んだりと暗躍する。そんな頼もしい(?)仲間を持っていながら、好いた夫人には翻弄され、舞踏会ではむっつりと黙り込んでいるだけの無骨なモンリヴォーがおかしい。
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