「シューテム・アップ」(マイケル・ディヴィス)
最近のアクション映画でも、と思い「シューテム・アップ」(2007年)見る。全編銃撃戦に次ぐ銃撃戦の連続で、スタイリッシュなアクション演出は目に楽しい。撃つ・撃たれる、という単純なカットの切り替えを避け、殴る・撃つ・走る・滑る・一回転してまた撃つ、とか連続してアクションを見せていく手法は、ジョン・ウーを大いに勉強した様子が伺えて微笑ましい。が、見ていて少しもガツンとこないのはやっぱりスタイルだけに終わってるからだろう。香港時代のジョン・ウーは、登場人物の爆発しそうに昂ぶる感情を派手なアクションで表現していたと思う。ところが「シューテム・アップ」はまずガンアクションありきで、登場人物たちの感情などほとんど関係ない。いくら凝りに凝ったアクション演出を見せても、映画的な盛り上がりに乏しいのは当然だろう。だから、「シューテム・アップ」はアクション映画というよりも、ゲーセンのシューティングゲームみたいな感じ。そう割り切って見れば、パラシュートで降下しながら撃ち合いする場面とか楽しめるのかもしれないが、個人的にはアホらしくてちょっとついていけないなあ。
主人公は黒のロングコートに身を包んだ凄腕のガンマンで、演じるのはクライヴ・オーエン。いつもニンジンを咥えてる(という所だけが)特徴。「謎の男」ってのもいいけど、主人公なんだからもう少し何かあってもいいんではいかなあ。悪役はポール・ジアマッティ。主人公を助ける娼婦役はモニカ・ベルッチ。唖然とするくらいステレオタイプなキャスティングでお気の毒。
ヒロインが娼婦、主人公が指をへし折られる拷問を受ける、なんて所から思い出したのは、バート・レイノルズ監督・主演の「シャーキーズ・マシーン」(1981年)。「シューテム・アップ」なんかに比べると、随分情感たっぷりのいい映画だったように思えてきた。
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