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2009年3月

2009年3月28日 (土)

「エグザイル/絆」(ジョニー・トー)

 アクション映画好きの友人・キャラハン警部が「昨年のベストワン」と断言したジョニー・トー監督「エグザイル/絆」EXILED 放・逐(2006年)。ようやく仙台でも公開されたので初日に駆けつけた。

 組織のボス(サイモン・ヤム)を狙って失敗し、逃亡者となったウー(ニック・チョン)が妻子を連れて戻ってきた。ボスの命令でウーを始末するために集まった4人の男、ブレイズ(アンソニー・ウォン)、タイ(フランシス・ン)、キャット(ロイ・チョン)、ファット(ラム・シュー)。裏社会で生きる5人は固い絆で結ばれた旧友であり、死ぬ前に妻子に金を残したいというウーの願いに、男たちは一仕事やろうと動き出すのだが・・・。

 「PTU」「ブレイキング・ニュース」「エレクション」等々、今や香港ノワールを牽引する鬼才ジョニー・トー。今回は「ザ・ミッション 非情の掟」(1999年)の主要キャストを再結成しての姉妹編で、これは大・大・大傑作だ!!!ヤクザ者の義理と人情話だろ、今さらなんでそんなベタな話を、などと言うことなかれ。例えお約束のお話でも、魅力的なキャスト、無駄な説明を排除した語り口、考え抜かれたアクション、要するにここまで徹底すれば、崇高な感動すら呼ぶことが出来るのだ。ジョニー・トーのケレン味たっぷりのスタイリッシュな演出が要所でバシバシ決まりまくり、内側にはトー版「ワイルドバンチ」とでも言うべき熱い血潮が燃え滾る、香港ノワールの到達点と言っても過言ではないだろう。

 「ザ・ミッション」でも見せた男たちのチームプレー、車から降りて周囲に立ったり、ドアから順番に出てきてさりげなく配置に付いたりする身のこなしが印象に残る。また、見せ場である銃撃戦は、レストラン、ヤミ医者の診療所、ホテルのロビー等、ほとんどが狭い場所で行われ独特の面白さを生み出す。ヤミ医者の診療所のある雑居ビル外で行われる縦構図での銃撃戦も面白い。そして、ある小道具がきっかけとなって始まるクライマックスの銃撃戦!正直言って、診療所の場面でカーテンがはためく中で銃撃戦が始まった瞬間、クライマックスで○○をキックした瞬間には感動のあまりちょっと泣いた。

 ハードな側面だけでなく、随所にユーモラスな演出が施されているのが面白い。特に敵役のサイモン・ヤムが大活躍。彼が現れる場面は大抵シリアスな場面に笑いの要素が仕込んであり、意表をついた見せ方にはトー演出の洗練が見られる。 

 アンソニー・ウォン、フランシス・ンら存在感たっぷりの俳優たちを見ているだけでもあっという間の109分。いやあ素晴らしかった。

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2009年3月24日 (火)

「すべての美しい馬」(コーマック・マッカーシー)

 「血と暴力の国」(映画「ノーカントリー」原作)がとても良かったので、コーマック・マッカーシーの旧作を探して読んでみた。「すべての美しい馬」 ALL THE PRETTY HORSES(1992年)。これも映画化されているようだが、残念ながら未見。

 第二次大戦 が終わって数年後のアメリカ、テキサス州。16歳の主人公ジョン・グレイディ・コールは、祖父の死と両親の離婚に直面、さらに生まれ育った牧場が売却されることを知り、親友のロリンズとともに馬を駆って旅に出る。国境を越えた2人は、やがてメキシコの大牧場に辿り着く。荒馬を手なづける手腕を買われた2人はそこで雇われ、昔ながらのカウボーイ生活を満喫する。しかしジョン・グレイディが牧場主の娘と恋仲になったことから、運命は急転直下、激しい暴力の世界へと巻き込まれていく・・・。

 コーマック・マッカーシーの文章は一文が極端に長く、会話には「」が無い。この独特の文体は慣れるまでは読み辛いが、一度馴染むとクセになる。まるで優れた 映画のシナリオみたいに状況がダイレクトに伝わってくるし、独特のドライヴ感があってとても好きだ。

 「すべての美しい馬」は一種の青春小説と言えるだろう。「この世界で自分が最も相応しい居場所はどこなのか」を探し続けるというテーマは極めて普遍的なものだ。主人公ジョン・グレイディは馬を愛し、馬とともに生きることこそが自然なことと考えている。主人公が馬に寄せる愛情、親友との友情と別れ、牧場主の娘との身分を超えた無鉄砲な恋愛。主人公の真っ直ぐな生き方には胸を打たれた。ただ、個人的にこの小説が気に入ったのは青春小説としてだけではない。

 馬での長旅、牧場での労働の細かい描写。後半で主人公たちを待ち受ける凄まじい暴力。「すべての美しい馬」は優れた青春小説であり、何より本格的な西部劇であり、激烈な活劇なのである。ジョン・グレイディとロリンズが監獄に放り込まれて、荒くれ者たちと死闘を繰り広げる場面はアクション映画顔負けの大迫力。主人公が愛馬とともに砂漠へと消えていくラストは西部劇そのものではないか。

 文庫の解説で解説者が「出来ることなら故サム・ペキンパーに映画化して欲しかった」と書いている。なるほど、解説者の言う通り「メキシコへの愛、女性をトラブルのもとと見る考え方」などペキンパーを髣髴とさせる。そう言えばペキンパーが撮る予定だったという「ハイロー・カントリー」もこんな感じの話だったなあと思う。しかし、思えばペキンパーは若さを描いたことなどなかったような気がするのだがどうだろう。ペキンパーと言えばやはり中年男の捨て鉢な暴走だ。「ガルシアの首」しかり「ワイルドバンチ」しかり「昼下がりの決斗」しかり。「ビリー・ザ・キッド/21才の生涯」ですら、主人公ビリーは全く若さの感じられない、超越したような表情を浮かべていたではないか。そういった意味では、燃えたぎるような若さで行動する「すべての美しい馬」のジョン・グレイディはペキンパー向きではない主人公に思えるのだ。・・・なんて、やっぱり見てみたいかもなあ、ペキンパー版「すべての美しい馬」ってのも。

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2009年3月19日 (木)

「Tokyo Navi」(ムーンライダーズ)

 2009年に入ってムーンライダーズが活動を活発化させており、長年のファンとしては嬉しい限り。今年は1月から新宿LOFTで3ヶ月連続のマンスリーライヴ、4月には東京・大阪・名古屋でライヴを敢行。さらに昨年12月から6ヶ月に渡って毎月ネット配信で新曲を発表するという企画を行っている。新曲は各メンバーが1曲ずつ担当し、12月「Tokyo, Round and Round」(岡田徹)、1月「恋はアマリリス」(白井良明)、2月「You & Us」(鈴木慶一)ときて、今月はくじらこと武川雅寛氏による「Tokyo Navi」。タイトル通り、彼女と東京をドライヴするというストレートな歌詞で、ムーンライダーズらしかわぬ分かり易い1曲。お得意の男性コーラスから始まって、くじら氏のフィドル、岡田氏のアコーディオン、博文氏のブルースハープが楽しめるポップな曲で嬉しい。この企画はこの後、鈴木博文、かしぶち哲郎と続く。楽しみだ。

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2009年3月17日 (火)

「チェコの四季」(イジー・トルンカ)

 イジー・トルンカの長編第一作「チェコの四季」(1947年)見る。チェコの伝統行事や四季折々の風物詩を題材にした人形アニメで、「謝肉祭」「春」「聖プロコップ伝説」「巡礼」「聖名祝日」「ベツレヘム」の6つの短編から生るオムニバス構成となっている。

 台詞は無くて、子供たちの歌声に合わせて人形たちがパントマイム(?)を繰り広げる。長編第一作だけあってまだ人形の動きや撮り方は素朴で荒々しい。可愛いっちゃあ可愛いけれど、お話は妙な具合で、歌詞の内容もかなりヘン(チェコではお馴染みの内容なのかもしれないが)。普段見慣れた劇映画とはテンポもかなり違っており、まさしく地方の珍Img_new_3 しいお祭りに参加したような感覚であった。

 実のところ、見ている間中、何度も眠気に襲われた。映画がつまらなくて眠くなったという訳ではなくて、あの子供の歌声と妙にぎくしゃくした映像のリズムのせいではないかと思う。不可思議な催眠効果があるのだ。

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2009年3月16日 (月)

「おじいさんの砂糖大根」(イジー・トルンカ)

 今までノーチェックだったチェコアニメの巨匠イジー・トルンカに挑戦してみた。まずはデビュー作「おじいさんの砂糖大根」(1945年)。

 トルンカといえば人形アニメというイメージであるが、これは水彩画のようなタッチのセルアニメ。庭の畑で大根を大事に育てているおじいさんと、その家族、動物たちの姿を描く10分の短編。となればいわゆる「ほのぼの系」かと思うが、どこかこちらの予想と微妙に違う感じであった。おじいさんが粗暴であったり、巨大に育った大根を皆で引き抜いたら、勢いあまって丘を転がり落ち、おじいさんや動物たちが大根と一体化して空に舞い上がるラストシーンが意味不明であったり。この感覚はディズニーアニメやジャパニメーションとは全く異質なもので、デビュー作にしてトルンカの強い個性が感じられるものであった。まあユルいといえばユルいんだけれども。

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2009年3月15日 (日)

「イーグル・アイ」(D・J・カルーソー)

 スピルバーグ提供、新鋭D・J・カルーソー監督によるサスペンス・アクション「イーグル・アイ」EAGLE EYE見る。トニー・スコットの「エネミー・オブ・アメリカ」とヒッチコックの「北北西に進路を取れ」と「知りすぎていた男」を混ぜ合わせてSF風味を塗したみたいな感じのお話。国家のテロ対策や監視社会への警鐘という現代的な題材も突っ込み不足で、結局一番の見せ場はカークラッシュだったりする大味な映画であった。

 映画の中には監視衛星の映像、町中の監視カメラの映像、携帯の動画、といった様々な映像が挿入される。その無防備な挿入ぶりには、この映画っていったい誰の視点で語られてるんだとイライラさせられた。ヒッチコック・タッチを狙った巻き込まれ型のサスペンスならば、当然視点を主人公に据えて描かれるべきであろう。終盤で実はその映像は○○の視点でした、と明かされるに至っては大風呂敷すぎて脱力させられる。同様の題材でヴェンダースが思いっきり空振った「エンド・オブ・バイオレンス」と2本立てで見ると、色んな意味で興味深いかもだ。

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2009年3月14日 (土)

ホラー映画恋しや

 今朝の夢。田舎の裏ぶれた商店街の路地を進むと、ひっそりとたたずむ一軒の建物が。そこは映画館で、チケット売り場の窓に手書きのチラシが貼られている。「ユーロトラッシュ不法集会」。ジェス・フランコやポール・ナッシーの聞いたことも無いような映画をオールナイトで上映するらしい。入場すると、映画の上映だけでなく特殊メイクの講習会なども行われるようで、場内には怪しげな造形物が並んでいる・・・。

 この映画館は今までも何度か夢に出てきたことがある。原型はかつて地元にあった唯一の映画館「光座」と思われるが、建物の感じや商店街の雰囲気は地元とは大分違っている。建物は今は亡き中野武蔵野ホールのようでもあり、商店街の雰囲気はもっと猥雑で、普通の商店と風俗店が一緒に並んでいるような感じ。

 さておき「ユーロトラッシュ不法集会」だなんて、最近ホラー映画見てないから欲求不満がたまってきたのか。

 ホラーといえば、サム・ライミ監督の新作「DRAG ME TO HELL」は久々のホラーらしい。ネットで予告編を見たら「THE EVIL DEAD トリロジー」の字幕が・・・。予告編では気味の悪いばあさんが大暴れ。さてはあのやけに元気な死霊復活か? アッシュ/ブルース・キャンベルは出演するのか? 楽しみだ。

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2009年3月13日 (金)

「バッド・ムービー・アミーゴスの日本映画最終戦争」

 「バッド・ムービー・アミーゴスの日本映画最終戦争 2007-2008年度版 邦画バブル死闘篇」読む。映画秘宝の連載「日本映画縛り首」をまとめたもので、ダメな新作邦画をメッタ切り。ガース柳下氏と江戸木純氏という信頼できるメンバーだけに、単なる暴言ではない、いちいち膝を打つ言葉が満載されていて面白い。邦画界の悲惨な状況には色々と思うところはあるわけだが、それはさておき。

 本書で一番ショックだったのは、江戸木氏が中谷美紀について語った一言。曰く「(中谷美紀は)演技しようとすると、ひょっとこみたいな顔になる」

 ・・・。実を言えば、中谷美紀ファンの俺ですらちょっとあれはどんなものかと薄々気になっていたのだ。彼女が時折見せるあの妙な表情、芝居のクセというかすまし顔というか。あれを「ひょっとこ」とは・・・。これには参った。ひょっとこには、いや中谷女史にはもっといい映画に出て欲しいと切に願う次第である。「カオス」(中田秀夫)や「ロフトLOFT」(黒沢清)ではあんなに魅力的に撮られていたというのに、堤の映画とかどうでもいいようなのにも山ほど出てるもんなあ。

 

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2009年3月12日 (木)

「ダークナイト」(クリストファー・ノーラン)

 映画秘宝ベスト1選出の他、2008年度ベスト作品の呼び声も高い「ダークナイト」THE DARK KNIGHTをようやくチェック。監督クリストファー・ノーラン、主演クリスチャン・ベイルのイギリス人コンビによる、「バットマン・ビギンズ」に続く新シリーズ第2弾。

 ゴッサムシティの治安維持に心血を注ぐバットマン(クリスチャン・ベイル)とゴードン警部(ゲイリー・オールドマン)。そこに白塗りの怪人ジョーカー(ヒース・レジャー)が現れ、次々と凶悪犯罪を犯す。新しくゴッサムシティに赴任した検事ハービー・デント(アーロン・エッカート)は正義感に燃え、警察、バットマンと協力し犯罪の一掃を推し進める。一方ジョーカーはバットマン、デント検事、警察、一般市民、暗黒街の面々すら敵に回して恐ろしい策略を巡らしていた・・・。

 クリストファー・ノーランはアメコミヒーローもの「バットマン」を彼なりにリアルな犯罪映画として再構築したかったようだ。前作「バットマン・ビギンズ」も暗い画調と大真面目な演出タッチからその意気込みはうかがい知れた。しかし「ビギンズ」はどこか演出がチグハグというか、大真面目な割に忍者軍団が登場したりするユルさには苦笑させられた。アクション演出が下手なのもイタかった。で、今回はどうだったか。

 上映時間152分、前作のテーマをさらに推し進めた大変な力作であった。所詮マスクヒーローものに何ムキになってんの、と言いたくなることろも無きにしもあらずだがそれはさておき。前作では沢山登場人物が出てくる割にはあんまり描かれてなくて、面白味が感じられなかった。それが今回は、主人公は勿論、脇役に至るまで皆正邪の葛藤を強いられるような展開になっているのが面白い。それぞれのキャラクター性とストーリー展開が上手く溶け込んでおり、葛藤が映画を停滞させることがないのが良かった。クリストファー・ノーランはティム・バートンとはまた違ったやり方で、原作の持つ暗い魅力をスクリーンに甦らせることに成功したようだ。

 それもまあひとえにジョーカーの存在感あってのこと。ティム・バートン版でジャック・ニコルソンが演じたコミカルで毒々しいジョーカーとは一味違って、故ヒース・レジャーがパンキッシュに演じたジョーカーはリアルで存在感抜群。神鬼出没で破壊を繰り返すジョーカーの活躍が映画のドライヴ感の原動力となっている。山と積まれた札束に平然と火を放つ場面はヒース・レジャー一世一代の名演技。

 個人的には、今まで汚職刑事系俳優の筆頭だったゲイリー・オールドマンが街一番の潔白な警官として活躍するのが何だか嬉しかったなあ。紅一点がマギー・ギレンホール(ドニー・ダーコの姉貴)ってのはどうかと思うが・・・。

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2009年3月11日 (水)

「彗星に乗って」(カレル・ゼマン)

 チェコアニメの名匠カレル・ゼマンの実写映画「彗星に乗って」NA KOMETE(1970年)見る。大彗星が地球に接近し、天変地異によって街がそっくり彗星の上に飛ばされてしまった。彗星の上は恐竜がのし歩く原始の世界だった・・・。ジュール・ヴェルヌの原作を映画化したファンタジックな一編。

 ゼマンは実写画面とアニメーションを合成し、フィルターをかけた色彩処理でファンタジックな雰囲気を演出している。人形アニメで走り回る恐竜なんて、ハリーハウゼンの緻密さはないものの、何とも愛嬌があって楽しめる。CG以前の、「SFX」でもなく「特撮」でもなく、「トリック撮影」と呼ぶのが相応しい素朴な映像はとても楽しい。冒険映画として見ると、ユーモラスな味付けが過ぎていまひとつ盛り上がらないのだが。美女との妄想に耽った主人公が測量の仕事中に崖から落っこちたり、恐竜は金属のぶつかり合う音を嫌うと知った軍隊が棒の先に鍋やフライパンをくくりつけて「新兵器」と称したり、何ともユルいのだ。この大らかさを楽しめるかどうかが評価の分かれ目であろう。

 さておき、映画全体が放つロマンチックな雰囲気は何とも捨て難い。主人公が異国の市場で見つけた一枚の絵葉書、そこに描かれた絶世の美女が主人公を冒険の世界に導いていく・・・という導入部分の感覚は素晴らしい。

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2009年3月10日 (火)

「20世紀少年」(浦沢直樹)

 この一週間くらいかけて浦沢直樹の人気コミック「20世紀少年」(全22巻)、「21世紀少年」(上下巻)をまとめ読み。個人的な感想としては、あれこれ盛り込み過ぎだよこれ。SF的な設定や、社会批判的な要素もあるけれど、結局のところ一番やりたかったのは友情話と音楽の話なのだろうと思う。ならば世界を滅亡させる必要なんかないし、人が死に過ぎだろうというのが正直なところ。

 「20世紀少年」が下敷きにしているのは明らかにキングの長編小説「IT」だ。少年時代の仲良しグループが大人になってから再結集して悪と戦うというストーリー、皆が少年時代を思い出せないという部分までよく似ている。血沸き肉踊る「IT」に比べてどうも感動が薄いのは、登場人物の描き分けや少年時代の描写がかなり紋切り型で薄っぺらいからだと思う。

 何で今さらこれを読もうと思ったかと言えば、映画版を見る為の予習である。以前から大嫌いな堤幸彦の映画を何ゆえ見なければならないのか。しかも3本も。それは、ひとえに白井良明氏(ムーンライダーズのギタリスト)が音楽監督を務めているからである。製作費60億とか言われている超大作の音楽を、ムーンライダーズのメンバーが担当する!この衝撃。原作を読んで分かった通り、音楽の見せ場は全編に存在する。クライマックスに至っては・・・である。そこにどんな楽曲が提供されるのか、表題曲はどのように使われているのか、楽しみだ。何せこの漫画の主人公の名前は「遠藤ケンジ」というのである。原作者だって生半可な音楽ファンではあるまい。その成果はいかに。追って報告したい。

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2009年3月 9日 (月)

「秒速5センチメートル」(新海誠)

 BSで放映されてたアニメ「秒速5センチメートル」(2007年)。見るともなしに最後まで見てしまった。小学校の卒業式に別れ別れになった彼女をずっと想い続ける男を描く3話のオムニバス仕立て。監督は自主アニメから頭角を現した人らしい。成る程、情感たっぷりな風景描写など実に見事であった。いかにもアニメっぽい絵柄の好き嫌いはともかくとして、映像には見応えがあったと思う。

 いかんせん妙に自己陶酔的なモノローグが延々と流れるのが気恥ずかしくて、映画としては40男の鑑賞に堪えうるものではなかった。これだけ映像で語れるならば、いっそサイレントに近いくらい台詞を絞り込んでもいいんじゃないかと思ったことであるよ。最後は山崎まさよしのPVみたいになっちゃうし。まあ、所詮「雰囲気モノ」ですね。

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2009年3月 8日 (日)

「チェンジリング」(クリント・イーストウッド)

病み上がりの日曜日、教会にでも行くような気持ちで映画館へ行って来た。

仙台フォーラムにてクリント・イーストウッド監督「チェンジリング」見る。

不幸のつるべ打ちに遭いながら、全くぶれることの無いヒロインの生き様。

お話は最近のイーストウッドらしい真っ暗な展開で、激しく打ちのめされる。

演出も、撮影も、演技も、語り口の緩急も、全てにおいて格が違う感じであった。

やっぱりイーストウッドは凄い・・・。これまで何度そう呟いてきたことだろう。

今年は監督・主演作「グラントリノ」も控えている。今度は久々スクリーンでイーストウッドの勇姿を拝めるのだ。楽しみだ。

映画を見終えて劇場の外に出たら、体調不良でふらふらした。

目が疲れて頭がガンガンするし、余程力が入ってたのだろうか、肩と背中がガッチガチに凝っていた。

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2009年3月 6日 (金)

命の水

風邪こじらせて寝込む。

熱、頭痛、鼻水鼻詰まり、喉の痛み、咳・・・風邪の諸症状がオールスターキャストで襲い来る。

目が疲れると頭がズキズキ割れるように痛むので、映画見たり本読んだりも出来ず、ただ寝てるしかない有様。

喉の渇きに耐え切れず、這うように布団から抜け出して、冷蔵庫へ。

扉を開け、ミネラルウォーターを飲もうと手を伸ばしたら、エビスビールが目に留まった。

反射的に缶を手に取って、次の瞬間には迷う間もなく開封していた。

一口、口に含む。いつもより苦く感じる・・・体調が悪い証拠だ。構わず飲み込む。

美味い・・・。ビールが、喉を通って、体内を降りていくのがはっきりと感じられる。

するとどうだろう、あんなに酷かった喉の痛みが和らいだような気がした。

二口、三口、と飲み進むと、間違いない、喉の痛みが消えていく。

缶の半分ほど飲む頃には、喉の痛みはおろか、詰まっていた鼻はすっきりと通り、咳もピタリと止んでいた。

これは素晴らしい!やはりビールこそ我が命の水、俺はこの琥珀色の液体無しには生きていけない!

一缶飲み終えたら、頭痛すら嘘のように消えていた。何て晴れやかな気分なんだ!

もう一缶、命の水を。いや、一缶と言わず二缶でどうだ。俺は両手に缶ビールを持ち、交互に口に運んだ・・・・

・・・そんなどうしようもないことを考えながら寝てました。3日間ほど。

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2009年3月 1日 (日)

日常に首絞められて気持ちいい

丸1ヵ月も更新が滞ってしまった。

最近の出来事。

車買った。人生初の自家用車。ブルーのマツダ・デミオ。命名ドゥミ。

23年ぶりにスキーをやった。自分でも驚いたが、まだちゃんと滑れた。

会社の業績悪化に伴い、給料10%カットされた。最悪。

背中が痛い。理由が分からない。病院行くべきだろうか。

映画館、行ってない。今年に入って一度も。3月からは仕切り直しだ。

何をおいてもイーストウッドの「チェンジリング」から始めるべきだろうと思う。

明日から仕切り直しだ。

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