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2009年4月 9日 (木)

「僕らのミライへ逆回転」(ミシェル・ゴンドリー)

 昨年劇場で見逃していたミシェル・ゴンドリー監督「僕らのミライへ逆回転」BE KIND REWIND(2008年)をようやくチェック。予告編が楽しそうだったので、素直に期待して見始めた。本編と関係ないけど、この邦題は意味不明で最悪だな。

 今時DVDも置いてない古ぼけたレンタルビデオ店が舞台。店長(ダニー・グローヴァー)は、街の再開発で市から立ち退きを言い渡されて悩んでいた。ある日、店長の留守を任された店員マイク(モス・デフ)は大張り切りで仕事に励むが、常連客のジュリー(ジャック・ブラック)のせいで店のビデオが全て消去されてしまった。常連客のおばあさん(ミア・ファロー)から「ゴーストバスターズ」を見たいと要求されたマイクは、ジュリーとともにホームビデオで勝手にリメイク。「スウェーデン製のリメイク版だ」と偽って貸し出した。苦情が来るかと思いきや、近所の話題になり、調子に乗ったマイクたちは自作自演で次々と名作映画をリメイクし始めるのだが・・・。

 リメイクっていってもその辺のガラクタやダンボールで扮装してホームビデオで撮影した、いわゆる「映画ごっこ」みたいなもの。細部に凝ったオタク臭いものではなく、うろ覚えのまま適当に再現しているユルさがおかしい。その手作り感覚に溢れた撮影の様子は微笑ましく、映画作りの初期衝動というか、カメラ廻してると何してても楽しいというあの感覚はとても良く伝わってくる。「ゴーストバスターズ」「ロボコップ」「ドライビング・ミス・デイジー」「2001年宇宙の旅」とかメジャーなだけで何の脈絡も無いラインナップも適当で面白い。

 後半、著作権問題でビデオを差し押さえられた主人公たちは初めてオリジナル企画に挑戦する。ご当地出身(らしい)黒人ミュージシャンの伝記映画で、ご近所の人たちも手伝って盛大に撮影が行われる。この製作風景、本編映像も面白い。何しろ皆楽しそうなのがいいね。

 いよいよ店の取り壊しの日、映画の完成試写会が行われる。映画の関係者、街の人たち、取り壊しにやって来た市の職員たちまでもが感動して、拍手で主人公たちを出迎える。感動のラストシーン・・・。なのだろうが、映画作りの話からご近所の人情話にスライドする展開はちょっとノレなかったなあ。急に皆いい人みたいになるのが解せないし、取り壊されるのか否かという部分をきちんと描かず何となくいい話みたいな気分で終わるのはフェアじゃないと思う。映画作りの映画としても、ご近所の人情ドラマとしても中途半端な印象が残ってしまった。

 映画っていいものだ、映画は何かを変えられる。ミシェル・ゴンドリーは映画の力を信じている・・・のかもしれない。でも、正直言って、俺はどうにも落ち着かなかった。素直に感動できなかったんだよ。何か胡散臭い気がして。「映画の力を信じてる」のではなくて、どこか「映画ってちょろいじゃん」と甘く見ているようなミシェル・ゴンドリーの思い上がりを感じてしまうのだな。考え過ぎかなあ。そもそも、あいつらビデオ撮りっぱなしで編集もしないで貸し出してるぞ。そんなの面白いわけないだろって。いくら映画の嘘だっていっても。

 さておき、自分なら何をリメイクするか考えてみるのは面白いかも。そうだなあ、「デスレース2000年」とかどうよ。「オーメン2」とか。思い出してみると、自分が学生時代に作った自主映画「血とダイナマイト」ってのがあったが、あれはモロにスウェーデン製だったなあ。マカロニウエスタンのスウェーデン製リメイク。

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