「サーチャーズ2.0」(アレックス・コックス)
アレックス・コックスの近作「サーチャーズ2.0」。売れない中年の俳優2人(デル・ザモラ、エド・パンシューロ)が、子役時代に撮影現場で脚本家に虐待された復讐を果たす為に旅に出る。娘を道連れに、目指すはモニュメントバレー。そこでは、件の脚本家(サイ・リチャードソン)がサイン会を行うというのだ・・・。
さすらいの映画監督アレックス・コックスがB級映画の帝王ロジャー・コーマン製作の元で作り上げた1作。低予算は毎度のことだろうが、DV撮りというところに一抹の不安を覚えながら見始めた。
一言で言うと、銃弾の代わりに映画のウンチクが飛び交う現代の西部劇、である。見ている方も「サーチャーズ?、ああジョン・フォードの・・・」てな具合についつい参加したくなる感じ。ウンチクと言ってもそれほど厳密なものではなくて、うろ覚えのまま適当にしゃべってるところもあっておかしい。西部劇の定番テーマ「復讐」への考察も面白い。コックスらしいシニカルなアメリカ批判もあり、ロードムーヴィーとしても十分楽しめる仕上がり。コーマン先生のチョイ役出演もありだ。映像にもちゃんと奥行きが感じられて、先述の不安など全く問題なしであった。クライマックスに繰り広げられる某超有名映画のパロディには唖然とすること請け合い。
テーマは明快、独自の映像スタイルもある、お話も面白い、緩急自在の演出力もある、90分にまとめあげる構成力もある。アレックス・コックスの映画って普通に面白い映画なんだ。これは声を大にして言いたい。こういう「ちゃんとした」映画が撮れる監督に、誰かちゃんと金を出して、撮りたい企画をやらせてやれって。
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