夜、TVでリメイク版「椿三十郎」(2007年)見る。オリジナル脚本をそのまま使っての再映画化なので、お話が面白いのは当然。森田芳光は黒澤のリメイクという難題に極めて実直に取り組んでおり、映画そのものはそれほど嫌な印象は無かった(面白かったかどうかはともかくとして)。しかし映像の平坦さ、軽量過ぎる役者陣、迫力の無い殺陣、と何をどう頑張ってもオリジナル版に敵うはずもなく、何であの名作を今さらリメイクするの、という疑問に答えは見出せなかった。
オリジナル版を意識し過ぎたのか、何かというと「ブオオオオーン」という感じの音楽が流れるのが凄くヘンだったなあ。サスペンス映画だからって最近の映画にヒッチコックのバーナード・ハーマンの曲をそのままハメ込んだ、みたいな違和感か。
問題の織田裕二は、冒頭三船を意識し過ぎて無理矢理「豪快さん」を演じていて痛々しかった。もっとナチュラルに若々しい織田三十郎でも良かったと思うぞ。「踊る椿三十郎」みたいになっても困るけど。実のところ、彼なりに健闘していたとは思う。そもそもあのリー・マーヴィンと対等に渡り合える三船敏郎の濃さに対抗しようってのが無理な話だもんなあ。
途中から「ラストのあの斬り合いはどうするのか」とそればっかり気になってしょうがなかった。トヨエツが景気良く血を噴出して死ぬのか?それとも何か別の手を使うのか?オリジナル版ではワンカットで息詰まる迫力の殺陣を見せていたが、さて・・・?そしたら、森田監督は細かくカット割りして二人の太刀さばきを詳細に見せる手法に出た。しかも急にざらついた映像に変えて。ううむ、何だか最後の最後に森田の小手先演出が露呈してしまったようで著しく興を殺がれた。駄目じゃん。
最近のコメント