ミュージカル

2009年11月22日 (日)

「ロシュフォールの恋人たち」(ジャック・ドゥミ)

 ジャック・ドゥミ監督「ロシュフォールの恋人たち」(1966年)見る。ジーン・ケリー、ジョージ・チャキリスなどを召喚しての、ハリウッド製ミュージカルに対するオマージュ。

 これが全盛期のハリウッド・ミュージカルならば、オールセットで、隅々まできっちりと振り付けされたソング&ダンスになることだろう。ところが「ロシュフォール」はオールロケーション(ヌーヴェルヴァーグ!)で、歌も踊りも決まりすぎず、どこか大らかと言うか、何ともユルううううい感じ。で、そこがいいのだ。

 お話はカトリーヌ・ドヌーヴ、フランソワーズ・ドルレアックの美人姉妹とその周辺の恋愛模様という他愛もないもの。が、さまざまなすれ違いが集約していく終盤の展開はさすがフランス映画の面白さ。どうでもいいけど、ドヌーヴとドルレアック、2人とも髪の量多すぎだろう。まるでアニメキャラみたいでおかしかった。

 何と言ってもミシェル・ルグランによる音楽が素晴らしい。音楽聴いてるだけで幸せな気分になれること請け合い。サントラ欲しいなあ。


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2009年1月10日 (土)

「ウィズ」(シドニー・ルメット)

 モータウン製作によるオール黒人キャストの「オズの魔法使い」、「ウィズ」THE WIZ (1978年)見る。音楽はチャーリー・スモールズ、クインシー・ジョーンズ、特殊メイクはスタン・ウィンストン。監督は「十二人の怒れる男」「狼たち午後」等で知られる社会派シドニー・ルメット。製作はロブ・コーエン、脚色はジョエル・シュマッチャーだって。

 大筋はオリジナルと同じなんだが、舞台はニューヨークに設定され、何とドロシーは大人の女性に変更されている。愛犬トトだけが友達という奥手の女性ドロシーを演じるのはダイアナ・ロス。本職の歌と踊りはともかく、お芝居の部分は常に怯え顔で魅力が薄いのが辛かった。時折すっとんきょうな悲鳴を上げて走り回ったりして、大歌手と知らないで見ると「何だ?この女は」という感じであろう。当時ダイアナ・ロスが何歳なのかは解らないけど(30代だろうな)、やはりミスキャストだったのではないかと思う。オリジナル版同様にドロシーと同行するのは脳みそのないカカシ、臆病なライオン、ハートのないブリキ人形。カカシ演じるのは若き日のマイケル・ジャクソンで、さすがに歌と踊りのキレはいいし、妙なメイクで顔もよく見えないながら一番溌剌としていた。オズを演じるのはコメディアンのリチャード・プライアー。なんだけど、全く影が薄い。

 映画はニューヨークの実景と特撮を交えて異世界を演出しており、キッチュな映像はところどころ楽しめる。が、大人向けなのかファミリー向けなのか判然としない中途半端な出来で、ちぐはぐな印象は否めなかった。主人公たちが地下鉄で魔物に襲われる場面なんて笑っていいんだか何だか。これはやはり監督の人選ミスなのではないかと思う。いくらニューヨークが舞台だからってシドニー・ルメットにミュージカルはお門違いだろう。モータウンImg_4 製作だけに音楽ファンにはお楽しみはたくさんあると思うが、それだけに歌と踊りの躍動感を捉えきれていないのが惜しまれる。ちなみに「オーバー・ザ・レインボー」は流れません。

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